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2024.02.29
商用EV「folofly」 — 航続距離300kmでラストワンマイル配送に貢献
2022年10月から商用小型EV「folofly」の販売をスタートした丸紅オートモーティブ様。folofly社との提携の背景や、foloflyの特長、国内自動車のEV化を推進する取り組みについてお話を伺いました。
お話をお伺いした方
丸紅オートモーティブ株式会社 営業第一部
部長 須田 篤高 様
課長 脇 健人 様
■商用小型EVの活用シーンは多彩だった
――folofly社の概要と、提携に至った背景や目的を教えてください。
須田様:丸紅の自動車部は、これからのモビリティのあり方を考える中で、2020年に産業システム・モビリティ事業部として組織を変更しました。今後は世界的にEV化が進むという流れの中で商用EVファブレスメーカーであるfolofly社に出資・参画することとなりました。私たち丸紅オートモーティブは、丸紅の産業システム・モビリティ事業部を主管部とする事業会社として、folofly社と販売代理店契約を結び、商用小型EVの国内販売から補修部品の供給といったアフターサービスを提供しています。
――今、商用EVを検討される企業が増えていると思います。その主な業種・業界や利用目的を教えてください。
須田様:じつは、私たちが想定していなかった業界からもご要望をいただいています。本当に多種多様な分野からお問い合わせがある状態で、大変驚いています。
当初、私たちが想定していた大手物流事業者のほかに、生協やコンビニエンスストアの移動販売、電力・ガス会社など生活インフラの地域メインテナンス、住設機器メーカーの個人宅への配送など、商用小型EVの利用は多岐にわたっています。
■ガソリン車と同等の費用で環境に配慮した事業への転換が可能
――foloflyの車両の特長を教えてください。
須田様:folofolyは、①手頃な価格 ②航続距離 ③普通免許で運転可能と3つの特徴があります。まず、価格です。国と地方自治体の補助金を利用することで、同じクラスのガソリン車を購入するのと同じくらいの費用負担で購入することができます。
次に挙げられるのは、航続距離です。300kmとよく走ります。EVの走行評価は7掛けと言われますが、それでも210~220kmは走る稀有な車両です。
さらに、シンプルで使い勝手のよいパッケージング。普通運転免許証で運転でき、積載量も確保した、大きすぎず、小さすぎない車格バランスです。2024年問題で、ドライバー不足となることは確実視されています。foloflyなら女性や高齢者でも安心して運転することができますから、ドライバー不足の解消にお役立ていただけるのではないでしょうか。
――foloflyを導入するメリットはどのようなところにありますか。
脇様:ガソリン車と同等の費用で、環境にやさしい事業を行うことができる点が挙げられます。大企業は環境問題への感度が高く、パートナー企業の方々にも環境への配慮を求めるケースがあるようで、ガソリン車からEVへ変更せざるを得ないというケースも見受けられます。そうしたときに、foloflyであれば、ガソリン車と同等の費用で環境に優しいビジネスへ転換することが可能です。
――実際に導入やテストをされた際の、利用者の反応や評価はいかがですか。
脇様:2022年10月から販売を開始して1年と少しが経過しました。これまでに導入したお客さまの多くがエントリーカーとして数台を導入され、運用していらっしゃるのですが、「思っていたよりも良い!」という評価をいただいています。その中には、追加導入のご要望もあり、大変嬉しく思っています。
乗り心地としては、アクセルを踏んだ時のリアクション(加速)が良いことと、航続距離が長いことが非常に好評を得ています。このほか、静かで振動が少ない、排ガス臭がなくていい、というお声もいただいています。
■商用EV導入に当たっての注意点とは
――商用小型EVの導入を検討されている方のために、導入に当たっての注意点があれば教えていただけますか?
須田様:寒冷地においては一般的にEVは不利であると言われており、当社としては用途や利用方法の選定等、お客様のご要望に応じて提案したいと考えています。
また、その他ですと、航続距離への注意が必要です。現状、ガソリン車が給油するように、EVを充電することはできません。一般的にラストワンマイルの配送車は1日に100km走ると言われています。ですから実働で200km以上走るfoloflyであれば十分な航続距離ですが、北海道から沖縄まで荷物を定期的に運ぶような長距離運送にはあまり向きません。決まったエリアやルートを走行するという利用方法に向いていると思います。
■国内のEV化に貢献し、新たなサービスの提供を目指す
――お話をうかがって、商用EVが国内に受け入れられはじめていることがわかりました。今後のEV市場の発展において貴社が果たす役割についてはどのようにお考えですか?
須田様:丸紅の産業システム・モビリティ事業部が主体となって自動運転やAIオンデマンド交通、充電器を含む車両の電動化の領域の事業をいくつか手掛けていますので、私たちは、これらの戦略に則って一緒に活動しています。
商用小型EVの販売からスタートしましたが、自動車があればその先には自動車を管理したり、コントロールしたりするためのシステムが必要になります。私たち単体で考えるのではなく、商用EV向けフリートマネジメントシステムを提供するEVolity株式会社と連携するなど、丸紅グループとしてモビリティビジネスの付加価値を高めていく考えです。
商用EVフリートマネジメントサービス「EVolity」の詳細はこちら>>
――foloflyとしての今後の展望やサービス展開について教えてください。
須田様:現在の日本国内におけるEVの販売台数は、1年間の新車販売台数の2%しかありません。世界に目を向けると中国で20%、ヨーロッパで15%、アメリカで7.5%がEVとなっています。ですから、やはり販売台数を増やしたいですね。
これまで、foloflyを使っていただけるお客さまの獲得に努めてきました。2022年10月からの1年間を第一ラウンドと捉えると、ご利用いただけるお客さまを一定数獲得できたかな、という印象です。そして今、こうしたお客様からのリピートオーダーによる複数台の追加購入という第二ラウンドに入りました。先ずはEVの販売台数を増やさなければEVに特化したサービスを増やすこともできませんから、当面は、自動車のEV化に貢献することを課題として取り組んでいきたいと考えています。
脇様:販売台数を増やすためにも、さまざまなお客さまに知っていただき、触れていただける取り組みを広げていく必要性を感じています。販売台数を増やしてお客さまの声を拾い、時代の流れに先駆けて私たちから新たなサービスを展開していきたいと考えています。
――ありがとうございました。
■商用EV「folofly」 商品特長
積載量 |
普通免許運転可能車種 F1VS 最大積載量 950kg F1TS 最大積載量 1,150kg |
航続距離 |
ラストワンマイル物流で安心の航続距離 F1VS 300km F1TS 270km |
価格 |
EVでありながらガソリン車と同等の低価格を実現 |
丸紅オートモーティブ株式会社
【TEL】 03-5281-6521
【Mail】 Sales1@marubeni-automotive.co.jp