MaaS関連サービス

2025.05.28

「Kuruma Base」を基盤にカーシェアリングサービスの品質向上を目指す

法人向けテレマティクスを開発・提供してきた株式会社スマートバリュー様では、その技術を活かし、モビリティ社会における新たなサービスモデルの創造に取り組んでいます。

お話をお伺いした方

株式会社スマートバリュー プラットフォームDivision
Kuruma Base Group グーループリーダー 佐藤 彰久 様

社用車の運用・管理で培った技術をカーシェアプラットフォームに展開

――スマートバリュー様が手掛ける事業について教えてください。

佐藤様:当社の事業はデジタルガバメント事業部、モビリティサービス事業部、スマートベニュー事業部の3部門で成り立っています。

デジタルガバメント事業部では、基本的に行政サービス向けのサイト運営やサイト開発を行っています。

我々が所属しておりますモビリティサービス事業部では、車両の走行データを活用した社会課題の解決に取り組んでいます。簡単に言うと、社用車の運行管理やそれに関する経費削減を実現するサービスを提供しており、私がメインで携わっているのは、カーシェアリングサービスを行うためのプラットフォーム「Kuruma Base」の提供です。

3つ目スマートベニュー事業部では、2025年4月4日に開業する「GLION ARENA KOBE(ジーライオンアリーナ神⼾)」と、そこをホームとするB.LEAGUE(プロバスケットボールチーム)の「神⼾ストークス」の運営を行っております。

――多岐に渡る事業を展開していらっしゃるのですね。その中でも、今回はカーシェアプラットフォーム「Kuruma Base」についてお話をうかがいたいと思っています。さっそくですが、「Kuruma Base」の開発経緯を教えていただけますでしょうか。

佐藤様:事業概要の説明で少し触れたように、もともとモビリティサービス事業部ではモビリティに特化したIoTプラットフォームを提供しており、走行データに基づく社用車の運行管理、安全管理、経費削減、台数の最適化に継続して取り組んできました。この技術をカーシャアリングサービスに活かせないかと考えて作られたのが「Kuruma Base」です

事業者様の環境に合わせた貸出方法を選択できるよう車載器を充実

――「Kuruma Base」の特徴を教えてください。

佐藤車両とアプリをつなぐ車載器、管理画面、運用をサポートするコールセンターは当社で用意しておりますので、事業者様は基本的に車両と駐車場を用意するだけで安価、かつ早期にカーシェアリングサービスをはじめることができます。

 他社に無いシステムとしては、運転スコアに応じて利用料金を設定することができるようになっています。当社が事業主体となって提供している「Patto(パット)」というカーシェアリングサービスでは、利用者様が乗車するたびに急ブレーキ、急発進の有無などを感知して運転スコアをつけ、スコアが高ければ高いほど利用料金が安くなる仕組みを採用しています。

また、会員登録から最短で10分で利用を開始できる点も他社には無い特徴のひとつです。

――最短10分での乗車を実現するために、どのような仕組みを取り入れたのですか?

佐藤免許証認証サービスに入っています。登録いただいた運転免許証と登録される本人の画像をシステムで確認することで、素早い本人確認を可能にしています

――「Kuruma Base」を採用する事業者様、そして実際に乗車する利用者様、それぞれのメリットとしてはどのようなことが挙げられますか。

佐藤「Kuruma Base」を利用するメリットとしては2つあります。

ひとつは、先ほど申し上げた最短10分で使い始められること。もうひとつは「Kuruma Base」で利用できる車種が多い、言い換えると車載器のラインナップが豊富でさまざまな貸し出し方法を選べることです。

例えば、アプリと車載器を連携させることで鍵の無い(注1)テスラ車両を貸し出すことができます。リース車両を利用している事業者様であれば、施工のいらないキーボックスを使用することで車体に傷をつける必要がなくなります。

注1:電話キーやキーカード、キーフォブを採用

事業者様と利用者様のWin-Winの関係構築に貢献

――「Kuruma Base」導入の大まかな流れはどのようになっていますか?

佐藤はじめに、レンタカー事業者申請をしてから「Kuruma Base」をお申し込みいただきます。その際、鍵の受け渡しを無人化するための方法を決めていただきます。後は、ご自身で車両と駐車場を用意していただければ、事業をスタートすることができます。レンタカー事業者申請に2カ月ほど要しますが、それを含めても最短で3カ月~4カ月で始められます

――「Kuruma Base」を導入する際の注意点はありますか?

佐藤近年、カーシェアリングサービスの拠点数は右肩上がりに増えていますが、どこに車両を置いても成功するわけではありません。事前調査や、設置後に会員を獲得するまでのプロセス設計も必要です。「Kuruma Base」を導入すれば、安価で早期にカーシェアシャアリングサービスを始めることができますが、競合もいれば、需要が少ない地域もあります。このあたりに注意が必要でしょう

――「Kuruma Base」の活用例をご紹介いただけますでしょうか。

佐藤スズキ株式会社様との提携のほか、整備工場様が持つ車を使ったカーシェアがあります。

それから、珍しいケースとして徳島市様の公用車のカーシェアが挙げられます。月曜から金曜日までは公用車として使用し、土日は一般向けに貸し出すことで、市民のQOL向上に役立てています。

また、ある建設会社様では、マンションの居住者様向けカーシェアとしてご活用いただいております。交通網が発達した大都市圏では自動車を持たない方も一定数いらっしゃいますから、その方たちにシェアカーという移動手段を提供することでマンションの付加価値を高めて、建設会社様にとっても居住者様にとってもWin-Winの関係を実現しています

目指すのは業界ナンバーワンではなく“質の向上”

――「Kuruma Base」を導入している事業者様の評判はいかがでしょうか。

佐藤九州でビジネスを営んでいる京都の事業者様では、「Kuruma Base」を利用してカーシェアサービスを提供しています。無人で鍵を受け渡しできる仕組みがあるから遠隔地でもカーシェアサービスを提供することができると、高く評価していただいております。

 また、鍵の受け渡しを無人化することで省力化を図れば、経費を削減しながら売り上げをキープすることができますから、この点を大きなメリットとして捉えてくださっている事業者様もいらっしゃいます。

 無人化というのは大きなポイントで、人を介さないから24時間いつでも貸し出すことができますし、逆に、24時間いつでも借りることができる。これは、事業者様と利用者様、双方から喜ばれています。

――今後の展望やチャレンジについてお聞かせください。

佐藤現在、「Kuruma Base」を利用している事業者数は、我々を含めて6社あります。今後は事業者数を拡大すると同時に、6事業者が保有する車両台数も増やしていきたいです。

 とは言っても、業界ナンバーワンを目指すわけではありません。地域の方々により良く利用していただけるサービスを展開することに重きを置き、カーシェアリングサービスの質を高めていきます。1事業者ごと、1ステーションごとに入念な事前調査を行った上で勝ち筋を立て、かつ利用者様が利用しやすい監視やサービス設計の実現を目指していきます。

――事業者様にも利用者様にも、ますます喜ばれるカーシェアリングサービスへと進化することを楽しみにしています。ありがとうございました。

株式会社スマートバリュー


【会社名】 株式会社スマートバリュー

【所在地】 大阪府大阪市中央区道修町三丁目6番1号 京阪神御堂筋ビル7階
【設立】 1947年( 昭和22年 )6月
事業内容クラウドソリューション事業

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