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2025.12.22

山梨・富士吉田市街地で自動運転EVバス有償実証運行

山梨・富士吉田市街地で自動運転EVバス有償実証運行

山梨県富士吉田市と富士急行株式会社、富士急バス株式会社は、持続可能な地域公共交通の実現に向けて、自動運転レベル2のEVバスを使った有償実証運行を2026年1月5日から2月28日まで実施する。これまで2023年10月から2025年5月にかけて多様な走行環境で技術面と社会受容性を検証してきており、今回の有償運行は次のステップとして位置づけられる。

富士吉田市内の公道「富士みち」を中心とした全長約5.2キロメートルの循環ルートで実施される。このルートは観光施設や商店街、公共施設などが集まる市の中心エリアを結び、市役所や学校など地域住民の足としての利便性向上に加え、訪日観光客にとっての二次交通手段となることで、回遊性向上と地域経済への波及効果が期待されている。

運行に用いる車両は、BYD製小型電気バスJ6をベースとした自動運転対応車両「TIER Ⅳ Minibus 2.0」で、最高速度は時速35キロ、乗車定員はオペレーター1人を含む16人となる。運行区間には13カ所の乗車場所が設けられ、1日あたり6便を設定し、大人100円、小人50円(小学生未満無料)の運賃で利用できる。

運行形態は、車内に乗務員1人が乗務し、別途遠隔監視員1人が見守る体制で、自動運転レベル2に相当する「一部の運転操作をシステムが担い、オペレーターが同乗して監視する」形をとる。実証期間中は、安心・安全・安定運行の向上に向けた改善点を洗い出し、将来的なレベル4運行に必要な許認可取得に向けたデータや知見の蓄積を図る。

利用者向けには、デジタル技術を活用した事前予約・決済の仕組みも検証される。乗車には原則事前予約が必要で、富士急行が提供するモビリティ予約プラットフォーム「SEKITORI」上で利用日・区間・人数を指定して予約し、クレジットカードまたはPayPayによる事前決済を行う方式となっている。

予約完了後は、当日に発行済みのQRコードを乗務員に提示して乗車する運用となり、各便の定員は15人に設定される一方、空席がある場合は予約なしでの乗車も可能とされている。

本プロジェクトは、「富士吉田市 レベル4モビリティ・地域コミッティ」に参画する自治体や事業者、関係省庁、大学、観光団体などの連携のもとで推進される。富士吉田市と富士急グループは、こうした体制のもと、2026年度中の自動運転レベル4の社会実装を目指す。

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