MaaS関連News

2025.12.16

通学を支える公共ライドシェア実証運行スタート 茨城県笠間市で

通学を支える公共ライドシェア実証運行スタート 茨城県笠間市で

モビリティテック企業の株式会社Will Smartと、常陽銀行、茨城県笠間市が連携し、同市内全域を対象とした「公共ライドシェア」を2025年12月17日から2026年2月13日まで運行する。サービス名は「わかものライド」で、地方都市での持続可能な移動手段を模索する取り組みとして位置づけられている。

今回の実証は、人口減少とドライバー不足が進む地方において、通学や通塾といった日常的な移動をどう維持するかという全国共通の課題に正面から向き合うもので、笠間市と常陽銀行が組成した「地域交通の課題解消検討協議会」が主体となり設計された。

サービスの運行条件は、利用者の通学・通塾ニーズに合わせた時間帯とエリア設計になっている。運行時間は朝6時30分から8時、夕方17時から21時で、笠間市全域をカバーしつつ、笠間地区・岩間地区・友部地区の一部(大原地区・北川根地区)に住む小学生・中学生・高校生を主な対象とする。1回あたりの利用料金は距離に関係なく1人100円に設定され、保護者の同乗も認めることで、安全面への配慮と利用しやすさの両立を図っている。

Will Smartは、このプロジェクトで二つの役割を担っている。ひとつは、地域概況データを収集・可視化し、分析用ダッシュボードを構築することで、笠間市の移動実態を「見える化」し、データに基づく交通政策づくりを支援することだ。もうひとつは、利用者向け予約システム、ドライバーアプリ、運行・予約管理機能を一体化した運行支援システムを提供し、利用者とドライバーのマッチングを最適化して効率的かつ柔軟なライドシェア運行を可能にすることである。

この実証は、銀行が地域交通の実装主体として深く関与する点でも注目される。常陽銀行が持つ地域ネットワークと、Will Smartのデジタル技術を掛け合わせることで、移動困難地域に対して持続可能で柔軟な交通モデルを提示する「第一歩」として意味づけられている。実証で得られる利用データや運用ノウハウは、今後の地域公共交通の再設計や政策立案を後押しする材料となることが期待されている。

詳しくはこちら

MaaSに関する最新ニュースをお届け

メルマガ登録 TOP
PAGE TOP