損保ジャパンと、自動運転EV車両を開発するピクセルインテリジェンスは、自動運転サービスの安心・安全な提供を支える包括的な体制を構築するため、業務提携を結んだ。両社は、自動運転の社会実装を通じて、人の移動に関する課題解決と新たなモビリティ体験の創出を図るとしている。

本提携の背景には、自動運転レベル4解禁を含む法改正により、自動運転技術の実用化が現実味を増している一方で、事故対応や保守体制など、運行事業者側の負担やリスクが依然として大きいという課題がある。損保ジャパンは、これまでの実証実験を通じて蓄積した知見をもとに、自動運転専用のリスクアセスメントや緊急時対応支援を提供してきた経緯があり、このノウハウを今回の枠組みに組み込む。

ピクセルインテリジェンスは、「ジャパンメイド」の自動運転EV「RoboBus」やロボット製品を開発し、移動そのものに加えて観光体験や移動販売など、付加価値の高いモビリティ空間サービスの実現を目指している。RoboBusは、観光とテクノロジーを融合させた新しいサービスや、地域密着型の移動サービスへの活用が期待されている。

損保ジャパンは、自動運転支援サービス「SOMPO ALCS」を通じて、リスクアセスメント、自動運転専用保険、緊急時対応、整備工場網構築支援などをワンストップで提供する。このサービスは、次世代モビリティ領領域をカバーするグループ横断のソリューション「SOMPO MobineX」の中核機能と位置づけられており、自動運転運行の安心・安全を支える基盤となる。

今回の提携では、ピクセルインテリジェンスが自動運転EV「RoboBus」の開発・製造や遠隔監視システムの提供、実証実験での運行とデータ収集を担い、損保ジャパンとSOMPOグループが保険・リスク管理・緊急対応・整備ネットワーク構築を包括的に支援する役割分担となる。これにより、自動運転サービスの導入を検討する自治体や事業者は、車両技術と安全対策がセットになったソリューションを選択できる。

両社は、2025年度に予定する実証実験を起点に、公共交通だけでなく地域観光分野にも対象を広げて、自動運転モビリティ空間サービスの商用展開を本格化させる計画だ。自動運転技術の進化と実装を同時に進めることで、地域の活性化と暮らしの質の向上に貢献することを目指すとしている。

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