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2025.12.05
日産が神戸で自動運転実証、灘五郷の酒蔵巡りに新移動体験

日産自動車は、神戸市と連携し、2026年1月19日から23日まで灘五郷エリアにて自動運転技術を活用したモビリティサービスの実証運行を開始する。伝統的な酒造りと歴史で世界中の日本酒ファンを魅了する観光地である灘五郷で、酒蔵を訪れる方々に自動運転技術を活用した新しい移動体験を提供し、観光での発見と地域活性化の可能性を検証する。地域社会の交通課題解決と、誰もが自由に移動できる新たな交通サービスの提供を目指す取り組みだ。
実証運行は、神戸酒心館、白鶴酒造資料館、菊正宗酒造記念館、浜福鶴吟醸工房をめぐる1周約20分の周回ルートで、停車なしで運行される。運行時間は8時から16時まで、日産リーフをベースとした自動運転車両を使用し、1便あたり2名が試乗できる。灘五郷酒造組合とMoplusが協力し、観光資源の新たな発見や訪れる方々にとっての新しい体験価値を創出し、神戸のツーリズム振興に貢献することを目指す。
一般試乗体験の受付は11月28日16時から12月19日17時まで行われ、対象は神戸市民かつ小学生以上、身長150cm以上で、定員は50名(一般試乗40名、こども未来枠2名×5組)となっている。応募多数の場合は抽選となり、結果は12月下旬に神戸市より通知される。実証運行を通じて、地域住民や観光客の課題に寄り添い、今後のサービス設計につなげる方針だ。
今後の展開として、2026年度には地域・乗降場所を拡大し、セレナベースのレベル2実証車両でオンデマンド運行を予定している。2027年度には拡大したエリアでの有償運行を開始し、2030年度には商用運行開始を目指す。また、将来的には神戸市内のニュータウンなど生活の足となる地域公共交通への自動運転車両導入も検討している。段階的な展開により、技術的な成熟度とサービスの実用性を高めながら、持続可能な事業モデルの構築を進める。
日産は「よりクリーンで安全、自由な移動を可能とするモビリティの革新」を掲げ、国内外で自動運転技術の社会実装に向けた実証実験を推進している。2018年に自動運転車両を活用した交通サービス「EasyRide(イージーライド)」の実証実験を開始以来、横浜市での実証を経て、今回の神戸市での展開は、地域課題の解決とともに、観光・地域活性化の新たなモデルとなることを目指している。
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