いすゞ自動車は、商用バッテリーEV（BEV）向けのエネルギーマネジメントサービス「SmartEVer（スマートイーバー）」を開発し、12月1日から提供を始めた。複数台の小型トラック「エルフEV」を1拠点で運用する際、充電を賢くコントロールすることで施設電力のピークシフトを実現し、契約電力や電気料金の増加を抑えながら、BEV導入の負担軽減を図る狙いだ。

いすゞは2023年3月、「エルフEV」の発売に合わせて商用BEV導入時の課題を一括支援するトータルソリューション「EVision」を立ち上げており、その中でもエネルギーマネジメントは重要テーマと位置づけられてきた。複数の車両を同時に急速充電すると一時的に電力使用量が跳ね上がり、契約電力や料金の負担増につながるため、効率的な充電管理によってこのリスクを抑える仕組みが求められていた。

SmartEVerの開発にあたっては、いすゞが2024年10月から飲料メーカーの伊藤園とエネルギーマネジメント企業のアイ・グリッド・ソリューションズと連携し、「エルフEV」を使った実証実験を実施し、その成果と技術がサービス設計に反映されている。実運用に近い環境で検証を重ねたことで、ユーザーが安心して使えるエネルギーマネジメントサービスとして仕上げた点が特徴だ。

アイ・グリッド・ソリューションズのエネルギーマネジメントプラットフォーム「R.E.A.L. New Energy Platform」で、施設の電力使用実績と予測データを解析する。この分析結果が、いすゞの商用車情報基盤「GATEX」と連携され、GATEX側で各車両に必要な最適充電量を算出し、個々の車両に充電受け入れ量を指示することで、拠点全体の電力ピーク超過を抑える仕組みだ。

エルフEVには通信によって充電のON/OFFを制御できる機能が備わっており、特定の充電器と車両をひも付ける必要がないため、どの駐車スペースに停めても同じように充電管理を適用できるためフレキシブルにエネルギーマネジメントを行うことができる。

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