安全運転管理者向けコラム

2024.12.10

アルコールチェックの重要性と企業の責任

白ナンバー車両を5台以上保有する企業や、乗車定員が11人以上の車両を1台以上使用している事業所において、アルコールチェックを怠ることは明確なコンプライアンス違反です。直接的な罰則は設けられていないものの、安全運転管理者の業務違反として扱われ、公安委員会から解任命令が下される可能性があります。この命令に従わない場合、50万円以下の罰金が科されることになります。

 アルコールチェックを怠るリスク  

・罰則: 飲酒運転が発覚した場合、厳しい罰則が科されます。  
・業務違反: アルコールチェックを怠ると、安全運転管理者の業務違反とみなされます。  
・是正措置: 公安委員会により是正措置命令が下される可能性があります。  
・企業責任: 車両提供者である企業にも罰則が科されることがあります。  
企業として、従業員の安全運転を管理する責任を果たすことは、社会的信頼を守るためにも欠かせません。

後を絶たない飲酒運転の事故

飲酒運転による事故は後を絶ちません。例えば、群馬県伊勢崎市の国道17号で発生した事故では、トラックが乗用車2台と衝突し、家族3人が死亡するという悲惨な結果となりました。この事故では、アルコールチェック後に飲酒したものと見られる悪質なケースでした。

また、飲酒運転の理由としては、以下のようなケースが挙げられます。  

・「出勤のため二日酔いで運転してしまった」  
・「時間経過により大丈夫だと思った」  

これらの理由は、飲酒運転の危険性を軽視した結果であり、重大な事故を引き起こす可能性があります。翌日に車を運転する予定がある場合は、飲酒時間や飲酒量を考慮することが重要です。

アルコール分解の仕組みと注意点

警察庁も「夜遅くまで飲酒した場合、翌朝には体内にアルコールが残っている可能性があるため、車の運転は控えましょう」と警鐘を鳴らしています。特に注意すべき点として、睡眠をとることでアルコールの分解が促進されるわけではないという事実があります。

アルコール分解のプロセス  

1. 吸収: 体内に入ったアルコールは主に小腸で吸収され、血液中に入り全身を巡ります。  
2. 分解: 肝臓に運ばれると酵素の力で「アセトアルデヒド」に変換されます。  
3. 排出: さらに酢酸に変換され、水と炭酸ガスとして体外に排出されます。  

睡眠中は全身の血流が緩やかになるため、肝臓への血液供給が低下し、アルコールの分解が遅くなると考えられています。そのため、飲酒後の運転は翌日であっても慎重に判断する必要があります。

飲酒運転を根絶するために

年末年始など、お酒を飲む機会が増える季節には特に注意が必要です。一人一人が「飲酒運転を絶対にしない、させない」という強い意志を持つことが、飲酒運転の根絶につながります。

企業や個人がそれぞれの責任を果たし、安全な社会を築くために、アルコールチェックの徹底と飲酒運転の防止に取り組みましょう。

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